親なきあと問題

「親なき後問題」と向き合うために
「もし自分がいなくなったら、この子はどうなるのだろう」
障害のあるお子さんを育てる親御さんにとって、誰もが一度は抱く不安です。
考えるのがつらいテーマだからこそ、後回しになりがちですが、実際には早めに準備を始めることが“子どもを守る最大の愛情”になります。
私自身、医療福祉の現場で20年にわたり、多くの親子の不安や葛藤に寄り添ってきました。
今は行政書士として、制度や契約を整える仕事をしていますが、いつも感じるのは 「制度の名前ではなく、その子の特性やご家族の思いを中心に考えることが大切だ」 ということです。
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親なき後を支える制度や仕組み
親なき後問題には、さまざまな制度や仕組みが関わります。
代表的なものを整理すると次のようになります。
•成年後見制度(法定・任意) … 判断能力が低下したときの財産管理や生活支援
•家族信託 … 親の財産を子やきょうだいに託して管理する仕組み
•遺言・遺言執行者 … 親の意思を確実に残す方法
•特定贈与信託/公益信託 … 金融機関等を通じて子の生活資金を確保
•障害年金や各種手当 … 継続的な生活の下支え
•グループホームや地域生活支援拠点 … 生活基盤を地域で整える
•死後事務委任契約や任意代理契約 … 葬儀や役所手続き、生活支援の補完
•社会福祉協議会の日常生活自立支援事業
•親の会が運営する信託型保証制度
•民間の保険
一つひとつは耳にしたことがあるかもしれません。
けれども「どれを選び、どう組み合わせれば子どもに合った備えになるのか」は、個別の事情によって大きく違ってきます。
制度やお金を使うのは結局は「人」なのです。
誰一人同じ人はおらず、支援は全てがオーダーメイドであることが当たり前と考えています。
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特性と資源、そして成長を信じる
障害というラベルで備えを決めるのではなく、
•その子の できること と 苦手なこと
•生活を支えてくれる 地域の社会資源
•これからの 成長の可能性
こうした視点を軸にプランを考えることが、本当に役立つ備えにつながります。
私は医療・福祉と法務の両方を経験してきた立場から、制度だけでなく地域資源の活用や家族の想いも含めて整理するお手伝いをしています。
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備えは一度作ったら終わりではない
親は歳を取りますが、子どもは成長します。
できることが増えれば、必要なサポートは変わり、使える制度やサービスも変化します。
だからこそ備えは「一度作って終わり」ではなく、定期的な見直しが欠かせません。
親御さんが最も子どものことを考えている存在であり、専門職はその想いを支える伴走者です。
私たちが制度や契約を整えるのは、親御さんの愛情を「形」に変えて未来に残すため。
悲しい準備ではなく、子どもの未来を守る愛のかたち として、一緒に備えを作っていきましょう。


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